【大会報告 分科会】(自由研究発表)

日本災害福祉研究会の第一回研究大会の開催について

【大会報告 分科会】第1分科会(自由研究発表)

座長:
高橋 良太(全国社会福祉協議会)
細川 日向(NTT東日本株式会社 防災研究所)

第1発表の河崎国幸会員(輪島市役所)は「災害時の介護サービス利用料一部負担減免の災害救助費への位置づけ」と題する報告において、2007年、2024年の能登半島地震における実態をもとに、本人が負担すべき一部負担金を災害救助費から負担すること、当該救助費は、自治体における介護給付費に含めないことを提言した。

山﨑真梨子会員(人と防災未来センター)による「『多様な視点で考える』防災・減災のまちづくり」と題する第2発表は、自然災害でのジェンダーに関する先行研究を整理するとともに、「女性の視点」から「多様な視点での配慮」に気づくワークショップについて検討を行った。

第3発表の細川日向会員(NTT東日本株式会社防災研究所)は、「地域で共有される災害時要援護者の情報の性質に関する一考察-フェーズフリーな仕組みづくりをめざして」として、東北地方における自治体でのヒアリング調査をもとに、災害時における要援護者情報が「制度的な枠組みに依存すること、フォーマル、セミナーフォーマル、インフォーマルといった各群との情報連携が不十分であることを明らかにした。

田中佑治会員(一般財団法人日本総合研究所)による第4発表「令和6年度老人保健健康増進等事業『業務継続計画(BCP)及び非常災害対策計画における他施策も含めた地域連携に関する調査研究事業』アンケート調査結果の報告」では、高齢者施設及び自治体を対象としたアンケート調査の結果をもとに、高齢者施設等のBCP機能強化に向けた地域連携の重要性、地域BCPの構築に向けた課題が提示された。

澄川立皓会員(東北福祉大学)は、「一般避難所のガイドラインの有効性について」と題する第5発表において、早川和男が「居住福祉」で示した11の項目を中心に、我が国の避難所運営ガイドラインと国際基準であるスフィア等との比較を行うことでその有効性と課題を抽出した。これにより、我が国の原稿ガイドラインはスフィアほどの具体性がないこと、実際の対応が市町村の対応に任されていること等を指摘した。

5つの発表とも近年頻発する災害において課題となる時宜を得たものであり、会場からたくさんの質問が出され、また、意見が行われた。

(文責:高橋 良太)



【大会報告 分科会】第2分科会(自由研究発表)

座長:
高木 善史(岩手県立大学)
伊藤 隆博(神戸学院大学)

第2分科会は、福祉避難所運営に関する発表1題、DWATの活動分析に関する発表2題、災害福祉コーディネーターに関する発表1題の計4題で行われた。福祉避難所運営では、災害時対応可能な職員の不足や訓練内容などの課題が示された。DWATに関しては、活動内容の構造化や研修への応用、調整機能の重要性、リエゾン機能の導入など先駆的な報告がされた。また、災害福祉コーディネーターについては、能登半島地震におけるDWAT活動の検証を踏まえ、具体的な役割・機能や求められるスキルなどが明らかにされた。参加者からも多くの質疑が行われ、災害時の福祉支援体制強化に向けたコーディネート機能や人材育成、平時の様々な訓練の重要性が改めて確認され、いずれも将来的な方向性を示唆する貴重な報告であった。

(文責:高木善史)

  1. 湯井恵美子(一社 福祉防災コミュニティ協会)
    「令和6年能登半島地震における福祉避難所運営についての一考察~福祉避難所アンケート調査の自由記述を中心に~」
  2. 伊藤 隆博(神戸学院大学)
    「CSCASSSを用いたDWAT活動の構造化分析~災害時における福祉支援の標準化に向けて~」
  3. 鳴海 孝彦(八戸学院大学短期大学部)
    「災害福祉支援活動における災害福祉コーディネーターの役割」
  4. 北川 進(日本社会事業大学大学院)
    「ぐんまDWATの活動の変遷と未来像~保健医療活動と歩むDWATのあり方と求められる調整機能~」


【大会報告 分科会】第3分科会(自由研究発表)

座長:
島野光正(郡山女子大学)
西澤英之(宮城県社会福祉士会)

実践報告分科会では、避難行動要支援者の個別避難計画についての報告1題、能登半島地震の活動についての報告2題、災害派遣福祉チームに関する実践について2題の計5題の報告があった。

個別避難計画については計画作成に際して「誰が」支援者となるのかを地域で取り組んでいる実践報告であった。また能登半島地震での報告では被災県の社会福祉士の職能団体による継続した支援活動と、一方福祉避難所の運営支援については福祉避難所として運営されていても指定を受けていないことや、「指定」について施設関係者や自治体担当者等の理解が薄いなどの「仕組み」があっても活かされていない実態と課題があることが報告された。災害派遣福祉チームの実践では大規模な山林火災の際に出動した全国でも初めての実践が報告されたが、一方で自治体の理解が進まないことで迅速な対応についての課題があることと、関連で自治体と避難所開設訓練を災害派遣福祉チームが関わることで理解と周知を図っていく実践が報告された。

最後に報告者と分科会参加者全員によるディスカッションを行った。制度や仕組みを構築していく防災関係者と主に人や地域への支援活動を行っていく福祉関係者との協働の意義や地域での課題等の有意義な意見交換が行われた。

(文責:島野光正)

  1. 加藤照之(大正大学地域構想研究所)
    「神奈川県藤沢市辻堂地区における 避難行動要支援者の個別避難計画作成事業について~実施状況と課題と可能性」
  2. 北脇宜和(石川県社会福祉士会)
    「能登半島地震の広域避難者を支えるソーシャルワーク」
  3. 上園智美(福祉防災コミュニティ協会)
    「令和6年能登半島地震で実施された福祉避難所運営への支援報告」
  4. 野田 毅(東北福祉会)
    「災害派遣福祉チーム(DWAT)の周知活動における実践報告~津波被災を経験したB市の避難所開設訓練での宮城県DWATの周知活動~」
  5. 小泉 進(盛岡赤十字病院)
    「山林火災における災害派遣福祉チームの支援」

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